投資で家族の未来を考える

投資活動を通じて、自身の幸せに追求と家族の未来について考えるブログ。日々の運用日誌・備忘録も兼ねて継続中。

投資活動を通じて、未来の暮らしを少しでも豊かに。

サブプライムローン問題から振り返るCDO・CDSという存在

空前に株高に沸くアメリカ市場。

ホルダーとしては株価が上昇していて嬉しい限りですが、反面いつか足元をすくわれる・市場が何らかの要因で崩壊するのではないかと常々ヒヤヒヤしている方も多い筈です。

サブプライムローン問題から10年以上が既に経過しており、すっかり過去の事となっていますが、1人のホルダーとしてやはり知って置かねばならない事柄だと自負しております。

好調な市況だからこそ過去の過ちを知り、未来へ備える』事が大切なのではないでしょうか。

サブプライムローンとは

話を進めていく上での基礎知識の説明です。

そもそもサブプライムローンとは何でしょうか?意味は?

  • サブ:訳→下の、2番手 
  • プライム:訳→優れた、優秀な
  • 総じて、『信用能力の低い』という意味合いです。

貸出要件は下記の基準を満たす、主に低所得者へ貸出されました。

  • 借入が総所得の50%以上
  • 過去1年間に30日間の支払延滞を2回以上経験有り
  • 過去5年以内に破産経験有り

素人目線で考えても危険極まりない融資だと容易に判断出来ます。

単に収入が低い人という領域を超えて、お金の管理自体が凄くずさんな人へも貸出を行っておりました。

金利については、ローン会社それぞれで異なっていましたので、一律幾らを明示するのは難しいですが、凡そ6%〜10%超という数値です。

現在の日本の住宅ローン金利は固定・変動性と有りますが、0.5%〜3%以内といった相場感覚ですので、如何に高金利であったかが理解出来るかと思います。

なぜこんなにも拡がったのか

サブプライムの借受人を増やした要因に、最初の数年間は金利を6〜8%で設定し、定めた期間が来ると、10%超の高金利へ変動、とした制度が借受人には受けたことが、ここまでサブプライムローンがを拡充させた要因です。

この仕組により、低所得の人たちであっても返済能力を超えた無茶苦茶なローンを組む事が可能となります。

加えて当時のアメリカは空前の住宅バブル真っ只中であった為、(日本円で)4,000万円で購入した家が6,500万円で売却出来るなんて事はザラにあったのでしょう。

※いつかの日本と似ていますね…

しかも、ローン会社経由で融資する銀行側からすると、住宅ローンは焦げ付きにくい存在です。

安定して稼げる上に、焦げ付く(債務不履行)へ陥る等とは微塵も考えておらず、住宅ローンは魅力的な販売商品と言えました。

もう一つのカラクリ

前述の通り、サブプライムローンは高リスクです。

そのリスクを少しでも回避(ヘッジ)しようと証券化する手法が取られました。

証券化…

元の貸主(銀行)から債権(返済を受ける権利)を投資家など、他人に移行させることのできる仕組みです。そして、住宅バブルを根拠として、サブプライムローンはムーディーズなどの格付け会社から高い評価を与えられ、世界中の投資家や銀行・ヘッジファンドがサブプライム証券に投資したのです。この証券化と拡散の流れがサブプライム問題を深刻化させ、2008年のリーマンショックの原因にも繋がるのです。

引用元:toha-seach

サブプライムローンという危険な存在を証券化して、S&P社やムーディーズ社からお墨付き(信用格付)を貰う事で、「そんなに危険な存在ではないんだよ」という事に出来ます。

信用格付について、AAA若しくはAAでの格付がされていた商品も存在しました。

※バークシャー・ハサウェイでAAですから、AAAだとその上を行く存在と認識出来ますよね。そりゃー勘違いしてしまいますよね。

証券化して何が取引されたのか

証券化した為、ここで投資銀行・証券会社が登場します。

文章で記述すると複雑になるので、下記の図をまずは御覧下さい。

この画像はサブプライムローン問題が出来上がる迄の過程を図に表したものです。

  1. 債務者とローン会社でサブプライムローンを締結、同時に住宅を担保にする
  2. ローン会社が投資銀行・証券会社へサブプライム債権として売却
  3. 投資銀行・証券会社は他のローン会社からも債権を買付けしており、その債権をまとめて証券化する
  4. CDOモーゲージ証券として格付をムーディーズ若しくはS&Pより取得し販売

ここまで拡充した理由については、以下が主に挙げられます。

後ろ盾に下記の住宅金融支援機がついていた

  • ジニーメイ(連邦政府抵当金庫)
  • ファニーメイ(連邦住宅抵当公庫)
  • フレディマック(連邦住宅金融抵当金庫)

  • S&Pや、ムーディーズ等の信用格付会社が干されたくないが為に、正当な評価で信用格付を発行していなかったことにも原因が有りました。

※CDO…

Collateralized Debt Obligationの略称で、日本語では債務担保証券。社債や貸出債権(ローン)などの資産を担保として発行される資産担保証券の一種で、証券化商品である。

引用元:野村證券

証券化されたCDOは更にCDSを組入し、さらなる時限爆弾へと進化した

この画像はCDOの階層分けと、さらにその中から別のCDを作り出した構図を説明しています。width=

CDOの中でも、債権を格付別に階層分けしていました。

  • シニア  :元本保証確率が高いものの低リターン
  • メザニン :シニアとエクスティの中間位置づけ
  • エクスティ:高リターンが臨めるが、高リスク

主に、シニア層は個人投資家や年金運用期間へ、エクスティは機関投資家へ販売されていました。

格付:Cのエクスティを寄せ集めてCDO化したものを売り出し、その中から改めてシニア・メザニン・エクスティと階層分けして販売も行っておりましたので、これではもう何が何だか分からない状況なのは明白です。

ブラックジャックの勝負している人へ、その人が知らないところでオッズを設定し賭け、その賭けをしている人に別の誰かが賭け(以下繰り返し)を行っていたようなものです。

当然、1番最初の勝負している人が負ければ、以降の人達は総崩れです。

これが、CDOへCDSを組み込んだ、シンセティックCDO(合成債務担保証券)の発展へと繋がり、サブプライムローン問題が全世界へ波及する引き金・時限爆弾となったカラクリです。

※CDS…

Credit default swapの略称で日本語読みはクレジット・デフォルト・スワップ。クレジット・デリバティブの一種で、企業の債務不履行にともなうリスクを対象にした金融派生商品。対象となる企業が破綻し金融債権や社債などの支払いができなくなった場合、CDSの買い手は金利や元本に相当する支払いを受け取るという仕組み。

引用元:野村證券

結局どうなったか、その後は…

既知の通り、サブプライムローン問題が深刻化しましたね。

問題はアメリカ国内に留まらず、ヨーロッパを始め全世界へと波及してしまいました。

日本も例外ではなく、当時はもはや何故株価や市場が混乱しているのか分からない状況下でも有りました。

正にドミノ倒しとはこの事と揶揄出来てしまいます。

その後は、オバマ政権下で銀行の自己勘定によるハイリスク投資を全面禁止(ボルカー・ルール)」の採用・デリバティブ(金融派生商品、CDSを含む)取引に関する情報開示の徹底等が規制され、大幅なリスクを伴う取引に一定の歯止めを掛ける事となりました。

現在の経済における懸念材料、私達に出来ること

サブプライムローン問題から10年以上がが経過した2019年現在。

経済発展や情報の水平展開についてのスピード感も以前とは比べ物にならない程となりました。

反面、一瞬で情報伝達されてしまい、株式市場での取引スピードは最早1秒以下の世界です。

実生活とは大幅にかけ離れた経済指標に振り回され、経済的な発展・景気の上向きを実感出来ないまま日々を生活している事となります。

現在の世界経済における懸念材料は下記の7つです。

  1. 貿易摩擦、特にアメリカ - 中国間の取引
  2. 政治的リスク・不確実性
  3. 世界経済のリセッション
  4. USDの強弱
  5. 地政学的リスク・戦争
  6. 低インフレ
  7. ローン・債権市場の低迷

どれも、考え出したらキリが無いし個人ではどうしようも出来ない要素です。

私達個人投資家に出来る事は限られていますが、座して待つ必要も有りません。

  • 身の丈にあった投資を行う
  • 考えられるリスクヘッジを組み込んでおく
  • 本業にはせず、余剰資金で行う
  • 短期の下落で投げ売りせず、じっくり長期間で銘柄と向き合う

今思いつく事だと、このくらいの事でしょうか。

いずれにしても、無理の生じない範囲で・出来るだけ情報収集を怠らずに・冷静且つ慎重に取り組むのが良い投資スタイルだと考えています。

いつ暴落が来ても良い様に覚悟も決めておかねばなりませんね。