こんにちは、タケヨーです。
私は新卒で自動車整備士になりました。
その頃はお金の流れとか世の中の仕組みとかは全く分からず、また知りもせずに「とにかく自分のやりたいことを満たす」=自動車整備士になる、ということにしか頭がありませんでした。
賢い方は20歳でも既に世の中の仕組みに対して鼻が効くようになっているのでしょうが、私は生憎そのようなセンスは持ち合わせていませんでした。
自動車整備士…今頃になって業界が「空前の担い手不足」で嘆いています。
私が資格を取得した頃で、既に専門学校への入学人数がピークから落ち目になっていたと記憶しています。
流石にスパナが飛んでくるようなことは無かったですが、タバコを吸いながら整備は当たり前で、先輩社員は皆タバコを当然のように吸っていました。
私も良くあの環境に居て、喫煙者にならなかったなと我ながらすごいと今でも思っています。
その自動車整備士は、工程の中で考えた場合どの立ち位置にあるでしょうか?
…下流工程ですね。
メーカーが製造した車両を営業担当が販売/納車し、ある時期を経過したら点検/整備等で入庫してくる…
アフターサービスなので、当然下流工程ですね。
ではその下流工程、お金の取り分でいくとどうでしょう?
…やっぱりどう考えても上流工程よりは安価になりますよね。
自分たちで値決め出来ませんし、裾野も広いので競争相手も多いです。
競争相手→ガソリンスタンド・用品店・民間整備工場・他ディーラー…
特に東京都なんてそこら中に自動車に関するお店があります。
千代田/港/文京区あたりは別格ですが、それ以外は意外と車社会ですからね、東京。
会社としては、アフターセールスで稼ぐ!とか言っていましたが、元々が安価なので安定収入こそ期待出来ますが雀の涙です。
営業マンを1人雇って、1台の車両販売であっという間に回収出来てしまうレベルです。
やってもやっても報われず、たった1本のボルトを締め忘れたら重大な事故に繋がる…
しかも爪の中まで油汚れが入り込む…
合コンなんか行けないですよ、正直。
と、当時は本気で考えていました。
お金の流れ/自分の工程がどこなのか?というのは、当時あまり深く考えていませんでした。
というか上流工程の業務内容や対価を知らなかったからでしょう。
それも転職を契機に、一新させられました。
転職先で上流工程を知る
転職先=現職で、そこで初めて上流工程の業務内容や対価を知りました。
自分たちである程度値決め出来ますし、そもそも上流工程を牛耳るには会社の規模とか資本が凄く必要です。
凄くというのは下流工程に居た自分では想像にも及ばない金額です。
それは数十億とかの世界でした。
私は恥ずかしながら、3,000万円くらいと思っていましたよ当時。
青二才ですね。
上流工程に今でも身をおいているので、お金の流れがダイレクトに理解出来ます。
といっても実際に目の前を桃太郎の桃のようにお金が流れている訳ではないのですが、想像し易いという意味です。
国→日銀→都市銀→商社・広告代理店→ITや一般企業→中流工程→下流工程みたいな流れですね、世の中を流れをざっくり括れば。
私は今、一般企業の中でもかなり商社や都市銀寄りの会社へ勤めています。
なので、上流工程にほど近いところへ身を置いています。
上流工程にいることで世の中への知見も広がりましたし、下流工程の大変さもものすごく理解出来るようになりました。
これはやはり俯瞰してみれるからでしょうね。
反面、上流工程は責任重大です。
そこから下の工程全てへ、ドミノ倒しの様に問題が波及してしまうからです。
そういったリスクもありますが、やはり資本主義下の日本では、どこまでいっても上流工程であればあるほど、ある種の既得権益感は否めません。
これは変わることが無いでしょう。
これを把握しておけば、政治的に与党がどこになろうが既得権益を得ている人間は一定数いるので当然変化を嫌います。
ということは、抗わずに巻かれた方がどう考えても得策ではないかと思います。
世の中を変えてやる!ということは一部の天才へ任せて、私の様な庶民で学の無い人間は、この資本主義経済に上手いこと乗っかった方が良いと思っています。
若い頃は抗うことにこそ美学を見出していましたが、今は妻子も養っていますのでそう安々と抗う訳にはいかなくなりました。
この資本主義経済体制は、今後も永続的と思っています。
何せ、ここはかつて鎖国を実施した日本国ですからね…