今回は、我が家も会員へ加入していて日々買い出しに行っている企業『コストコ・ホールセール』について銘柄分析していきたいと思います。
日本でもすっかりお馴染みになって、主要の都市には必ず1店舗(倉庫)が立地しておりますので、会員だよ!行った事有るよ!という方も多いのではないでしょうか。
コストコの業態
コストコは会員制の小売店です。
社名の「Wholesale」の意味は『卸売』なので、私達は店舗(コストコは倉庫店と呼んでいます)に行って、卸売の商品をその場で買付している事になります。
築地市場へ魚介類を買付に行く業者と同じ様な位置づけですね。
なんだか、プロになった気分ですね!
因みにWholesaleの対義語は、「Retail」で意味は、『小売・一般消費者向けの小売』となります。
流通の順序を図式にして見てみましょう。
コストコの場合、卸売と小売の中間へ位置付けする事が出来ます。
通常は小売業者の場合、卸売業者から買付する事が一般的ですが、コストコ自らが卸売業者と成り、消費者へ販売する事でコスト削減に一役買っています。
加えて、商品陳列・在庫管理費用コストを可能な限り削減し、安価商品を提供する事も可能となっております。
売上高と会費収入の比率
2018 | 2017 | 2016 | |
---|---|---|---|
売上高(Net sales、単位:百万USD) | 138,434 | 126,172 | 116,073 |
グロスマージン(=売上-仕入原価、単位:百万USD) | 15,282 | 14,290 | 13,172 |
グロスマージン比率(単位:%) | 11.04 | 11.33 | 11.35 |
会費(単位:百万USD) | 3,142 | 2,853 | 2,646 |
会費増加率(単位:%) | 10 | 8 | 6 |
純売上高に対する会費率(単位:%) | 2.27 | 2.26 | 2.28 |
販売、一般管理費(SG&A expenses、単位:百万USD) | 13,876 | 12,950 | 12,068 |
販管費対売上高比率(単位:%) | 10.02 | 10.26 | 10.40 |
グロスマージン(売上-仕入原価)の比率が10%ですと、ほとんど収益は通常有りません。
もっとざっくりお伝えするとするなら、『利益無しの横流し』と言ってもおかしく無いです。
では、どこで儲けを出しているかと言うと、『会費収入』です。
順売上に対する比率だけ見ると2%弱ですが、商品の入と出の様な差益では無いので確実に儲けが出せる点が物凄いメリットと言えます。
コストコの強み
- 来店した消費者が『楽しい』と感じる様な体験
- 1個単位に落とし込んだ際のお値打ち価格での提供
- PB商品における高品質且つお値打ち価格での提供
- 充実した商品種類の展開、地場産の商品取扱
- 併設施設の充実
我が家もコストコへ買物に行く際は、特に家内が非常に楽しみにしております。
『折角会費を払ったのだから、また行きたい。商品の質も良いし行くと新しい商品や期間限定値下げ商品が有るので購入したい。』といった買物体験が出来る点も注目すべきポイント且つ、強みだと分析しています。
キャッシュフローはどうか
2018 | 2017 | 2016 | |
---|---|---|---|
営業CF(単位:百万USD) | 5,774 | 6,726 | 3,292 |
投資CF(単位:百万USD) | -2,947 | -2,366 | -2,345 |
財務CF(単位:百万USD) | -1,281 | -3,218 | -2,419 |
現金同等物(単位:百万USD) | 6,055 | 4,546 | 3,379 |
フリーCF(単位:百万USD) | 2,827 | 4,360 | 947 |
小売業のリスクとなるキャッシュ枯渇をしっかりと押さえ込んで有る印象なので、健全な業務運営が出来ているとみて問題無いでしょう。
株価はどうか
$200をサポートラインとして、堅調に推移しております。
地政学的リスクがつきまとう事は他銘柄も同様ですが、堅調に推移すると捉えても問題無いかと分析しております。
まとめ
- 会費収入がメインの収益源で、対前年比でも増加傾向
- 価格の安さ・コストパフォーマンスに優れ、リピーターを増幅させる様な消費者体験に強み
- 会員制だが、幅広い商品を卸売価格で買付け出来る点も消費者への訴求効果大
- 直近の株価チャートでもキレイな右肩上がりを形成
- ひとつリスクを上げるとすれば、アマゾンの攻勢が挙げられるが、ウォルマートほど被りそうな業態では無いと言えるのではないか
配当性向:1.06%・年間配当:$2.60と、配当目当てだと少々しょぼいですが、長期間の保有銘柄としては最適かと考えます。
以前に分析したロッキード・マーチン(LMT)と同様、いつかは保有したい銘柄のひとつですね。
それと、家内のコストコブームは暫く継続しそうです。
私もノコノコと買物について行って楽しんでおります。